駄作という人もいれば、佳作という人もいる、非常に評価の分かれる作品。冒頭でPulpのCommon Peopleで踊るシーンが出てくるので、舞台は90年代ロンドン。30歳、独身、貯金なし、賃貸フラットで友人とルームシェアをしながら小学校の先生をしている主人公のポピーは、いつも笑顔で冗談ばかり言っている個性的で自由奔放な女性。
明るく天真爛漫と言えば聞こえは良いけれど、三十路にしては子供じみていて空気も読めず、TPOを弁えない服装と言動で観る者を不愉快にさせる。作品中言及されてはいないけれど、過去になんらかのトラウマがあって無理して明るく振舞っているか、または発達障害などを抱えている女性なのかもしれない。
しかし抑圧された現代社会の中で、自由すぎる彼女に対してもし苛立ちを感じるとしたら、それは余裕がない証拠かもしれないし、気づかぬうちに同調圧力の一端を担ってしまっているのかもしれない。幸せとは何か、多様性とは何か、個性とは何か、色々考えさせられる作品。