<ハメを外すとはこういうこと>
凡百の変な邦題のお下品コメディと一緒にして食わず嫌いしてすみません!…人気の理由がわかりました。
オープニングから、ラスベガスの美しい朝焼けの風景がキレキレの解像度でセンス良く切り取られていく様子に、これは一味違うと直感。(あとこのテーマで壮大なレジェンダリーピクチャーズロゴ登場に苦笑。)
物語は、どこにでもいるような男友達の「独身最後の旅行」のはずが、朝目覚めたら部屋はグチャグチャ、いるのはニワトリ、トラ、赤ちゃん、いないのは花ムコ。ここが頂点であとは下り坂の出オチかと思いきや、行く先々でさらに素っ頓狂なことが起き続ける、最後まで勢いの衰えないジェットコースターの始まりだった!残されていた手がかりの一つ一つが、「空白の夜」の1ピースに繋がっていて、テンポよくどんどんミステリー的な謎が解けていき、「花ムコの行方」「昨晩何があったか」にブレずに<収束>していく展開が心地よかった。会話も相当練られているのかムダがない。
美しい映像と緻密に計算された脚本、お馬鹿コメディと3つの要素が見事に融合した不思議な映画だ。