ヨシイコウタ

ボーイ・ミーツ・ガールのヨシイコウタのレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
3.2
シュルレアリスティックな世界観と、濃密な影が印象的な作品でした。

うまくまとまりませんが僕は、皆結局は孤独であるということを言いたいんじゃないかと感じました。感じたことをそのまま羅列すると、人は皆孤独で、それぞれ何か闇を抱えており、それを埋めてくれる誰かを強く求めるけれど、それはまるで煙を掴もうとするようなことであって本質的な意味でのそれは決して手に入らないから、「一人」であることからは逃れようがない…みたいな感じ(意味不明でごめんなさい…)。

パーティでのシーン、くたびれた人々はスイッチの付いたロボットのように見えて、すり傷に染みるような寄る辺ない孤独を感じました。

登場する人々が何とも不思議な味を出していて、独特な雰囲気を作り出していました。アレックスはまず顔立ちがトカゲっぽくて不気味だし、ミレーユはマイブラッディバレンタインのビリンダ・ブッチャーを彷彿とさせるような、すでに死んでいるか、あるいはあと少しバランスが崩れればふっと死にそうな印象。世界観とマッチしていて良かったと思います。

最後のシーン、端から見たら強盗殺人かなんかに見えそうですね。真相と表層のすれ違いみたいなものも現実ではよくあることだと思うので、なんか意味があるのかなと思いました。