やま

ボーイ・ミーツ・ガールのやまのレビュー・感想・評価

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)
4.5

今作はボーイミーツガール。
彼氏、彼女を失った男と女が出会う。それだけの話。

しかしそこはレオスカラックス。魅力的なシーンがそこら中に散りばめられており、この世界観にどっぷりとハマってしまう。
ストーリーの流れから外れてるような会話や出来事、登場人物の感じは「勝手にしやがれ」に似てる気がするし、まさに勝手にしやがれという感じで好き勝手にやってる。

自分の好きな映画のオマージュ、やりたいシーンを作る為に徹底されただろう舞台は全て魅力的だった。冒頭の川に突き落とすシーンもいいし、二人が出会う店もいいし、二人が並んで語り合うバー?も最高。
何より一番良かったのは、彼女の部屋。全面ガラス張りで外から中の様子が丸裸なあの内装は当時はどうだか分からないが、ありえない構造であるように思えるし、ましてや女性だし。しかし明らかにラストのシーンが撮りたいが為にあのような内装にされており、そこがたまらなくいい。そして最高なラストシーンになっていた。


主人公アレックスも良かった。
ドニ・ラヴァンやっぱ最高。
キスしているカップルを見ている時や、インターホンで男が話しているのを見ている時のあの棒立ち。笑かしにきてるのかってくらいシュールなんだけど可愛らしさなんかも感じてきて魅力的。音楽を聴きながら一人ポツポツとはしゃぐ若者を横に歩いてく様も孤独、だけどそれが俺っていう感じがして良い。ラストの倒れ方は、あれだけ見ればこんなアホらしい倒れ方あるかと思えるような気がするが、これまでの彼の挙動をみていれば全く違和感ないシーンになってる。キャラって映画で本当に大事。

魅力的なシーンだらけで、どこに目をやれば良いかと大忙しな映画で最高に満足しました。

この前友人たちと夜の公衆電話でどうやって写真撮ればカッコよくなるか試行錯誤してたけど、割るっていうのは流石に思いつかん。
やま

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