くろいひと

笛吹川のくろいひとのレビュー・感想・評価

笛吹川(1960年製作の映画)
3.4

いわゆる絵巻物のごとく、戦国時代のある一家における出来事の断片がつながれて語られていくという構成だが、前半はまるで駆け足で見る大河ドラマの総集編のよう。

モノクロ画面にしばしばあらわれる色付きの雲も、その絵巻物的な装飾をねらったものだろうが、その実験的な着色がいろいろなものを台無しにして空回り。
戦争に翻弄される庶民(もちろんそれは明治から昭和にかけての日本の寓話だ)をえがいた骨太なものがたりのなか、はっとするシーンもおおいだけにいささか残念。

老けの特殊メイクはなかなかよい仕事。
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