青春時代に観るべき映画ですね。
観る必要があるという意味ではなく、観る時期としてベストという意味です。
バスジャックという非日常に遭遇したことをキッカケに、3人の登場人物が世界を変えたいと行動する話。
自主製作映画のようなアンバランスな脚本や編集は、鋭さよりも危うさを感じさせます。
一方で「復讐代理人」というエンタメ要素が、ほどよく軽さを生んでいて飽きさせない作り。
このキャストにエンディング曲がフジファブリックという「拗らせた作品」なわけですが、自分は嫌いにはなれませんでしたねー。
閉塞感と同時に自由を感じられる世界観のせいなのか、はたまた集中して作業をしている途中で耳に息を吹きかけられた様なラストのせいなのか。
豪華な役者たちの好演にも助けられている部分もありますが、凝ったアングルなどは監督の熱を感じます。
多くの経験をした方には甘っちょろい映画に思えるかもしれませんが、そういう人にもこの主人公たちのように悩んだり衝動的になったりした時もあったわけで、それらを捨てたり否定するのは少し惜しい気がします。
この映画は、その記憶を空中分解ギリギリに閉じ込めることに成功した作品。
そこら辺の邦画と一緒にしたくないので甘めの点数です。端数はポッチャリ少年のダンスに(笑)