踊る猫

踊る猫の感想・レビュー

スクラップ・ヘブン(2005年製作の映画)
3.9
これは日本版『ファイト・クラブ』である……と書けば呆れられるかもしれない。デヴィッド・フィンチャーのあの作品のような映像美は期待出来ないし、意外なオチが待っているわけでもない。だが、「クソ」を洗い流し世界を清潔にしようとさせる主人公たちが行う「復讐」の代行、その秩序を積極的に乱す姿勢、社会そのものを破壊しようとする展開がそっくりではないかと思ったのだ。しかも『ファイト・クラブ』もしっかり踏まえていた、そういった秩序を乱す姿勢、つまり正義の鉄槌を下す姿勢が結局のところは凡庸な「ままごと」でしかないところもきっちり描いている。キャラの造形の浅さなど不満も感じられなくもないが(いや、その浅さこそが深読みを誘うとも考えられるので痛し痒しなのだが)、加瀬亮氏が犯罪を通してアウトローになって行くその「先」もきっちり描いており、だからこそラスト・シーンはなんとも言えない味わいを感じさせる。