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ザ・ハリケーンのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ザ・ハリケーン(1999年製作の映画)
3.8
《スポーツの映画》、Vol.30。ボクシング⑤。
そろそろこの企画も終盤戦へ、、、。

これまた1960〜80年代に亘る事実に基づいた話。
ルービン“ハリケーン”カーター。
実在のミドル級の黒人ボクサー。

これまた黒人への偏見、差別が生んだ実際の事件。事件というより歴史。

少年の頃から黒人のヤンチャなガキだと言うだけで目の敵にされ少年院にブチ込まれる。
そこから逃げ出し、再起を図るも、脱獄を理由にまたしてもブチ込まれる。
そこで、とにかく体を鍛えて自分の体を武器にし、人として強くなって満期で出所するも、たまたま近くを通りがかった殺人事件の容疑を着せられ、またしてもブチ込まれる。

ブチ込まれた結果、死ぬまで終身刑に処される。
結果的にそれまでの人生の半分以上を刑務所で過ごすことになった彼の壮絶な訴訟の戦い。

冤罪を幾度と主張する。刑務所で自ら本まで書いて主張。
その主張に当時の著名人も共鳴し、支援もするが、それでも再審の希望叶わず。
その繰り返し。
実際、ボブディランとかも支援してたらしい。

まさにボクシングで言うなら何度も何度も倒される。手を出すことすらできずに、ろくな試合も出来ずに倒され続ける。

そんな、気が滅入るような人生を賭けた戦い。

流石に半ば諦めかけてたところに、とある一般の、まったく法的知識もない、知名度もない、ただただ彼の自著に感銘を受けたと言う所帯が近づく。

そこから、再び彼の再審をかけた再起の炎が灯る。。。

デンゼルワシントン、この頃からもうビジュアルの力が凄すぎる。

この企画で少し前に『タイタンズを忘れない』も観たけど、ジャケ写は彼のアップでもう決まり。
インパクトもさることながら、彼のアップが何だかよくわからない底知れぬドラマ性を誘う。

スポーツの映画と題していながら、正直、スポーツとしてのボクシング映画ではないが、ある意味、人生というリングで決して不当な力に屈っせず、絶対に折れずに諦めない強さを伝えてくる作品。
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