Yukiko

ザ・ハリケーンのYukikoのレビュー・感想・評価

ザ・ハリケーン(1999年製作の映画)
4.3
2018年2月7日
『ザ・ハリケーン』 1999年制作
監督、ノーマン・ジュイソン。
『月の輝く夜に』『ジーザス・クライスト・スーパースター』
『屋根の上のバイオリン弾き』などの監督作品がある。

約20年間を刑務所で過ごした免罪事件のルービー・カーター
事件が題材。

ルービン・カーター(デンゼル・ワシントン)。
1937年、ニュージャージー州のパターソンに生まれる。
11歳の時、盗みの罪で少年院に送られる。
数年後脱走して軍隊に入隊、除隊後にボクシングを始め、
リングネームは『ハリケーン』。
警察に見つかり、少年院の残りの刑期を終える。
プロボクサーになり、逮捕されるまでに40試合をこなす。
1966年、ニュージャージー州で3人の白人を銃で撃ち殺した
として逮捕され服役。
1974年、カーターは自伝 "The Sixteenth Round" を出版し、
無罪を訴える。
事件の証人たちが、司法取引による偽証を告白。
再審となるが証人たちは再び証言を翻し、判決は有罪となる。
しかし、その後にカーターに有利な証拠が新たに発見され、
1988年、最終的にカーターは保釈された。


黒人差別が元の事件とも言えるが、それだけではない、
特定の白人警官によるカーター個人への違法な拘禁、それを
元にのし上がっていく白人警官。
暴力的な黒人カーターから住民を守る警官・・・と位置付けて
終身刑を言い渡し、カーターを刑務所から出さないように
外堀を埋めるための筋書きを作り上げていくという怖い話。

カーターの本が出版されて、有名人たちもカーターを応援、
市民デモもあったが、長続きはしなかったらしい。
ボブ・ディランも『ハリケーン』という曲を作って歌った
とのことだ。
無実の罪を着せられる、このような事があって良いので
しょうか?
あってはいけないからこそ、助けてくれる方が現れた。
同じアメリカ人ではなく、カナダ人。
脅しを受けても怯まずにカーターを支え続けたからこそ、
何をやっても無駄だと諦めていたカーターも、希望を
見出して、最終的に無罪を勝ち取ることができた。
正義がまかり通る世の中であって欲しい。

エンディングの曲がいい(^^♪
Clark Anderson の『So Amazing 』という曲。
Yukiko

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