KENPI

イエスマン “YES”は人生のパスワードのKENPIのレビュー・感想・評価

4.2
普段はあまりこういったヒューマンドラマ系のジャンルは観ないんですが、最近ジムキャリーにハマっているのもありまして、本作を初めて鑑賞致しました。この映画、とても素敵でした。切なくて甘酸っぱい恋が堪らなく素敵で、少しばかり過去の自分の恋愛を思い出し胸が苦しくなりました。


かくいう僕にも切ない恋バナってものがございまして、いやまぁ中学生が修学旅行で就寝時間に話す恋バナと大差ないんですけどね。皆さんにもきっと経験があると思います、別れの危機。これってどんなに仲が良いカップルにもあるじゃないですか。


ほんの些細なことですよ。過去に僕も、大切な女性に心にも無いことを言ってしまったんです。流石にもう僕たちもダメかなって、この時ばかりは。こうなってしまった以上、この関係はもう修復することは不可能でした。例えるならば、こぼれてしまった水がもう元に戻らないように。コップに入った水が一度こぼれてしまったら、もうコップの中には戻せないんです。


もう僕たちの関係も終わりだ。そう思い、大切にしていた2人の思い出の品を整理していたとき、1枚の写真が目に留まりました。それは記念日に2人で訪れた、東京の三鷹の森ジブリ美術館での2ショットでした。気恥ずかしそうに照れる僕の隣に写る写真の中の彼女は、初めて出会ったときと少しも変わらない僕の大好きな屈託のない笑顔でした。


その瞬間、彼女のことがすごく愛おしくなって、俺はいまとんでもない間違いをしているのではないかと悟ったんです。すごく大切な物を無下に捨て去ろうとしているのではないか、これは絶対に後悔するんじゃないか、俺は彼女しか愛せないんじゃないか。そう確信するや否や、僕はすぐに自転車に乗り全速力で彼女の元へ会いに行ったんです。スピード出し過ぎてもう道中で2,3人くらいは轢き殺したかもしれない。


そして目の前に現れた彼女。こぼれ落ちる涙、体の震えが止まらない。ごめんな、俺は間違ってた。俺はお前が隣にいることに慣れてた。一緒にいることが当たり前だと思ってたんだよ。何を失ってもいいから、お前だけは失いたくないって、今やっと分かった。こぼれてしまった水は、もう二度とコップの中に戻ることはないって思ってた。だけど、このこぼれた水が蒸発して雲となり雨となり、大地に降り注ぐ。それが川となって流れ、浄水され水道を伝ってまた蛇口の中から出てくる、そうすればまたコップの中に戻るじゃないか。


だから、俺は涙でぐしゃぐしゃになりながら今にも消え入りそうな声を絞り出した。もう一度、俺とやり直せないか。その刹那、その場で泣き崩れた彼女は、涙がこぼれ真っ赤になった目で僕を見つめ一言、か細い声でこう言った、...イエス。


いやまぁ全部僕の妄想なんですけどね。なんだよコップからこぼれた水って。あ、『イエスマン』のレビューをします。ヒロインのズーイー・デシャネルが可愛い。以上。