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イエスマン “YES”は人生のパスワードのRのレビュー・感想・評価

4.1
友だちからの携帯の着信を見て、大儀そうにNo.と吐き出し、電話に出ないとこから始まる。基本的にどんな話を振られてもNoとしか答えない無気力&無感動、故に退屈で、さえなくて、孤独な人生を生きてる、スーパーネガティヴ男カールの大変革が展開。カールみたいなNO人間、ほんと、ある年齢を超えるとおっさんの間でうじゃうじゃ増殖していくよねーっていう、極端でありながら典型例。ある日、このままではマジでヤバいんやろなーと漠然と感じ、重い体を引きずって自己啓発セミナーに行くと、motivatorの人に、とにかく何事に対してもYESで答えろ!と言われ、最初はえええええってなってるんやけど、場の流れで仕方なくYESの誓いを立てることに。で、試しに何個かYESで行動してみると、はじめはものすごいマイナスが出たり、面倒やったりするんやけど、何もしてない時と明確に違って、すぱすぱいろんなことが好転し始める。イケてる女の子と知り合いになり、会社でも認められ始め、友だちともよく会うようになり、だんだん楽しく、積極的で、イベントだらけの生活になっていく。ヘナヘナだったNo manがイキイキしたYes manに変わっていく様をサイコーのおどけ演技で愛らしく演じるジムキャリー、オッさんになったのに何と愛らしいことか! サイコー! こんな人、友だちにほしい! ギター習い始めて、飛行機の操縦も習い、韓国語も習って、行くつもりのなかったライブに行って、出会い系サイトでも全てYes! それら全てのYes伏線が後半すいすい回収されていくのが、あからさま過ぎるきらいはあるにしろ、逆にすごく気持ちいい。ジムキャリーがThird Eye BlindのJumperを歌い始めたときは、この曲を初めて聞いたときのように涙ボロボロでた。驚いた。懐かしかった。ホント好きだった曲。忘れてた。思い出せただけでも見てよかった。と、良いことづくめのようですが、本音はそうでもない部分もあり。大きく2点。まずね、Yesばっかでこんなに話がうまく進んでいくわけがないのです。確かに肯定に大きな力があるのは大いに賛同したいところだが、実際はもっともっとたくさん痛い目に遭うにきまってる。そこを飲み込むのは結構時間がかかった。次に、前半からずっと気にかかるのが、あくまで話の中心が、外的要因に自分がどう反作用していくかということで、じゃ本人の好みや意志や主体性はどーなんの?っていう問題。これに関しては後半で少々解消される。だが、それにしても前半ずっとそれが頭を離れないので、完全には話に入り込めない。ほんでまぁストーリー自体はある意味予定通りとしか言いようのない道を通っていくのだが、ラストだけは完全に予想を覆されてビックリした! 映画全体の前提をぶっ壊して終了っていう!笑 一本とられました! あと特筆するとしたら、ブラッドリークーパー、イケメン過ぎてどうなってんだ?って思ったのと、笑えるシーンがかなり多かったのと、老婆フェラ!と、やっぱジムキャリーはすばらしいコメディ俳優だ! 最後に、エンドクレジットがスタイリッシュでカッコよくて、こういうの見ると、心踊り、嬉しくなる。
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