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イエスマン “YES”は人生のパスワードのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

3.8
ジム・キャリーのコメディは人生の教科書。
皆さんもご存知、コメディー会のトップスター、ジムキャリー。ジムキャリーの映画は純粋な爆笑コメディーもあれば、結構考えさせられるサイコロジカルできなものもあります。それでも、映画の表紙を飾るのは、やはりジムキャリーの存在感です。
ジムキャリーの演技には嘘がない。コメディーはほとんどがフィクションで成り立っているにも関わらず、ジムキャリーの演技には嘘くささがないからこそ、ここまで面白く、かつ映画として愛される作品を作り上げられるのではないでしょうか。

ジムキャリーが演じるキャラクター
今作品でもよくわかりますが、ジムキャリーの演じるカールはとてつもなく極端なキャラクターです。それなのになぜか視聴者が彼のキャラクターを応援してしまう。それはなぜなんでしょう。
それは、ジムキャリー以外のキャラクターのおかげ。カール以外のキャラクターは以外と普通の人間です。今作でも、ブラッドリー・クーパーが演じるカールの友人や、ズーイー・でシャネルが演じるアリソンなど、カールに振り回されることはあっても、異常なことをするような極端なキャラクターではありません。普通の映画だとちょっとキャラが薄いぐらい。しかし、このキャラクターたちのおかげでカールの極端さが際立ち、スポットライトが当たります。それゆえ、映画の中心は100%カール(ジム・キャリー)。さらには、カールは接する人たちを変えながら自分を変えていくという主人公の素質を兼ね備えている。それゆえ、一般人である我々もジムキャリーに変えられたいと必然的に思い、ジムキャリーのキャラクターを応援することに繋がるのでしょう。

ジムキャリーが住む映画の世界
これは今作で特徴的だと思うのですが、この映画の設定がありきたりすぎる日常に溢れているというところもこのコメディ映画のポイント。先ほどと同じ理由で、カールの行動のコメディ要素や、主人公要素が際立っていることに加えて、こんだけリズムのいいテンポを可能にすることにも繋がっています。
単純にキャラクターの頭数も多ければ、シーンの数もとても多く幅広い。韓国語を習いながら、セスナの操縦を習うなんて笑。このテンポを可能にするのが視聴者が見慣れた日常。スクリーン上に映し出されるもののほとんど(カール以外)が我々の周りに存在する日常なので、一瞬でそのシーンの状況・場面を想像することができ、セリフを状況説明などに無駄遣いせずにすみ、テンポよくシーンを展開でき、重要なポイントで時間を使える。この日常にこそ、ジムキャリーのキャラクターが輝く場所があるのではないでしょうか。

日常に浮き出る非日常。これがコメディーであり。それを日常に還元するのが、ジムキャリーのキャラクターなのだ。
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