ぬーたん

セントラル・ステーションのぬーたんのレビュー・感想・評価

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)
4.2
1998年ブラジル映画。ブラジル映画って初めてかも?記憶にない。先ず驚くのはブラジルという国の日常。首都リオデジャネイロの中央駅という一番都会だろう駅で、電車に乗るのに窓から入るわ、屋根に乗っかるわ、飛び出たまま発車するわ。いつ事故が起きても不思議でない。万引き犯を追っかけて撃ち殺す!もう必死に生きていかないとダメな場所。そんな状況の中だから、代筆業の主人公ドーラだって、狡くならないと女ひとり生きていけないんだろうなあ。9歳の男の子ジョズエと知り合い、色々あって共に旅に出る。ジョズエの父を探す旅。まあ、よくある話だし、その道中のアレコレも予想出来るんだけど、このコンビのやり取りや道中知り合う人との交流など、とにかく飽きないし面白い。トラックの運ちゃんが優しくて感動的なんだけど、結末は…いや気持ち分かる!グイグイ来られてもねえ。
ドーラを演じたフェルナンダ・モンテネグロは現在93歳で健在。この当時は68歳位だったということだが、なかなか色気もあった。
少年がいい。笑うと可愛い。意志の強さ、悲しみやプライドの高さ、表情がとても上手い。
カメラがブラジルとは思えないほど(失礼!)とても凝っていて、構図が上手くなかなか洒落てる。
ラストが特にいい。理由は書かないが。あぁこうだと良いなという終わり方。それでいて定番お決まりの追い駆けもあって、泣けちゃうよ。余計な蛇足がないと良いなと思ったらそうだったから感動した。
埃っぽいブラジルの田舎道を走るバス。ガヤガヤした街のバー。日本では考えられない治安の悪さと、臓器を売る?危険な街。そこでひとり生きて来た60代の元教師の女性と、父を探す9歳の子供の、気丈で言葉は悪いし、自分勝手なくせに、いつの間にかお互いを想い大切になる、その心の移り変わりと、2人の絆に、いつしか感情移入し、胸が締め付けられた。
良い良い!この映画は良い!
※レビュー1ヵ月ぶり。映画よりドラマを観る最近。そろそろまた映画に戻りたい。
※おやつは生ノースマン。すまん!千秋庵の銘菓ノースマンに生クリーム注入!とんでもない美味しいお菓子が登場した。
※夕飯は鶏のから揚げ。札幌ではザンギと言う。昨日塩麴に漬け、今朝からニンニクたっぷりのタレに漬け込んだ。一緒にピーマンとジャガイモを素揚げ。ほうれん草ともやしのナムル。ワカメスープ。カブと柿の漬物。
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