ヒラリー

セントラル・ステーションのヒラリーのネタバレレビュー・内容・結末

セントラル・ステーション(1998年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

セントラルステーションで代筆屋をするドーラ
お客さんは彼女に代筆を頼み、金を払って去る。
彼女は書いた手紙を持ち帰り、処分する。
お客に手紙を出したのか問い詰められてもこれから出すからとか、ブラジルの郵便局はいい加減だから~と言ってのらりくらりとかわす。
ある日、夫への手紙を出した母子が問い合わせに来る。
彼女はいつも通り適当にあしらい、二人が去る。
駅を出てすぐ母は交通事故に遭い帰らぬ人に。
残された息子ジョズエ、だが頼る人はおらず、迎えに来る人もいない。
毎日路上生活している姿を見てドーラを彼を家に招く。
そして教えて貰った養子縁組斡旋所にジョズエを預けるもそこは臓器売買組織と知り慌てて取り戻しに行く。
組織は二人を追い、半ば逃げる形で手紙の住所を元に父親に会いに行くロードムービー
この物語の中心であるドーラとジョズエは顔見知り程度
そしてジョズエは彼女の家で送られていない大量の手紙を目にする。
代筆はするが発送はしない、では金を巻き上げるだけの詐欺なんですよね。
ジョズエを送り届けるつもりも彼女は責任を負わない。
運転手に金を渡してあとは頼むも作戦失敗、ジョズエはいるが金を失いリオにも帰れない。
運良くトラックの運転手のおじさんに乗せて貰うも彼の恩を仇で返す。
ジョズエは純粋だが善人ではない。ドーラは言わずもがな。
彼女の涙は後悔の念からだろうが自分のしたことは変わらない。自業自得。
でもここで頭を打ったから彼女が変わった気がする。
父親の住所に行っても彼は引っ越した後、最果ての地に辿り着き、彼ら家族の事を知る。
孤児になったジョズエを引取り育てようと一時は決心したと思うが、そこで最善策を講じた事で彼女自身の成長も垣間見えた。
トラックの運ちゃんとの一期一会の話に対して、会おうと思えばまた会えると言ったドーラ
これが二人とも善人ならこんな尾を引かなかったと思う。
他人から家族のような関係に移り、それでも手を放す決断、手紙で綴った言葉に胸締め付けられる。
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