ずっと気になっていた作品をよーやく観ることができました!
予想通りというか、それを遥かに超える名作です!
リオ駅で代書人をしている中年女性ドーラと母を亡くし、父を探している少年ジョズエのロードムービー
身寄りのない、あるいは不幸な少年・少女と大人との道行きを描いた名作は、古今東西多くある。
すぐ思い出すのが、インドの「バジュランギおじさんと小さな迷子」
でも、バジュランギおじさんと本作が違う味付けは、ドーラが必ずしも良い人ではないことだ。
母を失ったジョズエに声をかけるドーラ
ヒューマンな物語のスタートと思いきや、このあとドーラは、信じがたい行動に出る。
しかし、そもそも人は、
過ちと後悔
思いやりと利己
淡い未来への期待と苦い過去へのこだわり
その狭間に生きていくものなのた。
ドーラが決して善良な女性として描かれないだけに、余計にこの作品を深みのある
奥行き豊かなものにしてくれているのだと思う。
少年ジョズエもそう。可哀想な境遇ではあるが、ドーラにも悪態をつき、移動のバス内でも、とんでもない行動をとる。
当然、何度も衝突する2人。
そんな2人が、父を探す旅を通して、心を交わしていき、
さらに
人間としても、お互いの出会いを通して、成長していく様が見事に映し出されていく
ラストの2人の表情は、序盤とは大きく異なっていく。
出逢いは旅と同じ。
出逢いも旅も人生の中では一瞬のこと
でも、人はその思い出を抱いて生きていぬんだな、って、
だから、ラストで2人が同時にする行動で
僕は涙を止められなかったのた。
さらにこの映画の優れているところは、
2人の道行きの途中に出会う人々やその風景が
物語や2人の気持ちに少しずつ影響を与えているところ。
一場面、一場面のクオリティかとても高い
例えば、ドーラが後悔を抱きながら乗る電車の車窓
2人で乗るバスとその乗客
ドーラが語る「バスがいい、人生だから」の話も深い!
と考えると、終盤の同じ家が続く街の道も
感慨深い。