★ てやんでぃ、こちとら江戸っ子でぃ
風呂はきゅっと入ってきゅっと出るんでぃ
武内秀樹監督の作品は手堅いですね。
喩えるならば、6回3失点の先発投手。
キッチリとゲームを作ってくれるため、あとは打線の奮起が待たれる…そんな仕上がりなのです。
特に本作の場合。
淡々と原作のエピソードを積み重ねた上で、オリジナルに移行する展開はテレビドラマ出身ならでは。賛否は分かれると思いますが「原作に触れている客層を飽きさせない」という想いは伝わってきました。
何よりも感嘆したのが、外国人を起用しているのに“吹替”に違和感を抱かなかったこと。これは地味ながらも素敵な配慮。こういう積み重ねが作品の質を向上させるのですね。
それと「これはコメディですよ」と伝えるために“歌を歌う”という演出を入れたのも良かったですね。木漏れ日のように笑いがこぼれる素敵な場面だったと思います。
また、ローマ帝国の文化について、知的好奇心を刺激される描写も頬が弛む限り。僕は塩野七生先生の作品を読んだ程度の知識しかありませんが…ワクワクしましたよ(個人的にはカエサルからアウグストゥスへの流れが一番好きです…ド定番ですが)。
ただ、濃密な俳優さんを取り揃えたとは言え、日本人をローマ人と捉えるのは脳内補正が必要。本場とは“体毛の濃さ”が違いますからね。お風呂映画だけに際立ちました。
それとお風呂映画なのに、上戸彩さんの肌色率が低いのは…いや、僕は低くても良いと思うのですけどね。作品を引き締めるためにも必要だったのでは…なんて思ったのです。いや、僕の希望じゃないですけどね。
まあ、そんなわけで。
男性の肌色率が極めて高い“健康的な”作品。
コメディの方向性としても、誰でも笑える配慮に満ちていますので(一部、寝取る寝取られる…という描写はありますが)安心して家族で楽しめると思います。
To be continued… →→→
『テルマエ・ロマエ 2』