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テルマエ・ロマエのtjZeroのレビュー・感想・評価

テルマエ・ロマエ(2012年製作の映画)
2.6
紀元128年のローマ。
テルマエ(浴場)設計技師のルシウス(阿部寛)は、タイムスリップして現代の日本へ…。

いかにも「さあ、ここで笑ってください」みたいな間(ま)を配置していろんなシーンが構成されているけど、あんまり笑えなかった。

笑えないどころかちょっと許せないのは、タイム・パラドックスについてあまりにもナイーヴというか、無邪気なこと。
ルシウスは現代日本の銭湯や家庭風呂の技術を古代ローマに持ち込んで浴場を改良していくんだけど、これ確実に、大幅に歴史が変わっちゃうでしょ⁈
🦋エフェクトどころの騒ぎじゃないと思う。

ところが、誰もそんな”時の矛盾”問題に悩むことなく、物語が進行。
そして中盤になり、現代から古代へ”逆ワープ”したマンガ家志望女子役の上戸彩が、(史実に反して)賢帝アントニウスが愚帝ケイオニウスの代わりに激戦地へ送られそうなのを目にして、やっと、
「それじゃあ、歴史が変わっちゃう!」
って叫ぶ。
「今さらかよ⁈」ってガクッとしてしまった。笑えるはずの喜劇で、起こるのは失笑だった。

そのヒロイン役の上戸彩も、コメディアンヌとしてはちょっと弱い。石原さとみとかが演じてたら、もっとはっちゃけて、マンガ的な面白さが出たと思う(彼女は”イーオン”のバイリンガルでもあるし)。

あと、北村一輝が演じるケイオニウスも、2~3人の女性と浮気するくらいで”暴君”とするのでは説得力が薄い。
市民を弾圧するとか、多民族を虐殺するとかの悪行を具体的に見せてくれないと、ドラマ的に盛り上がらない。

…こんな風に、ぬるいというか、ふやけたというか、いっそ湯当たりしそうな出来だった。
採点しづらいなあ。困っちゃうなあ。
しょうがないから、ふ・ろ(2・6)でいいか😉。
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