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幸福のBlouOutのレビュー・感想・評価

幸福(1981年製作の映画)
3.8
初見は十九歳だったので、
みんな不幸じゃないか。
何で、幸福?

数十年ぶりに、渋谷のTSUTAYAの市川崑コーナーで発見し鑑賞。銀残し懐かしい。wikiで、監督はモノクロで撮影したかったがプロデューサーは承認せず、折衷的な渋いカラーになった、との事。東宝とフォーライフの製作なので、ラストが甘いバラードだったり、当時の水谷豊人気の、仕上がり狙いだったんでしょうね。でも、市川監督は、地味な、時代を切り取ったような映画を撮りたかったんでしょうね。いい映画でした。沁みました。

モノクロ観たかった。もちろん天国と地獄や砂の器や飢餓海峡のような大作では無いのですが、小さな事件ですが、映画としては同じ匂い、モノクロだったら、さらに痺れたかも。

出てくる人達みんな、色々あって儚くて、幸せになって欲しい。と願わずにはいられないストーリー。特に子役の2人良かったなあ。関係ないけど、緒形拳の鬼畜での子供とのやりとりがオーバーラップしてしまって、泣けました。

昔は、子供を残して出て行った母親ひどいなあ、と一方的な見方でしたが、見返して、びっくり。
当時と今では、フェミニズム視点が全く違うので、ああ、こーゆー物語だったか、母親の気持ちも透けて見えてきて、この時代に、この視点、凄くない!?市川崑、やっぱり凄い!となりました。
もちろん、絵作り、編集、市川崑の魅力たっぷり!

いつかまた観るでしょう。
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