オーストラリアはクライストチャーチ女子中学校に通う、14歳の2人の少女の起こしたとんでもない事件の実話の物語。
彼女らが残した刻銘に綴った日記をもとに制作された。
ケイト・ウィンスレットのデビュー作だとか、後に〝ロード・オブ・ザ・リング〟を手がけた監督だとか、この実話の中身を知ったら映画の出来はどうでもよくなる。
女子中学生の思春期に有りがちな妄想も、度を越してしまうと過激で残酷な悪魔と化す。
第4世界を妄想しメルヘンチックな展開は、全体的によくある青春映画のようにも錯覚する。
思春期で反抗期な少女にとって周囲の大人たちをイカれていると批判するまでは良しとしても、その結論に至る行為は何なのか。
この映画の面白さは映画の内容より、後日談の方がさらに恐ろしい。
この1952年の事件の後の少女たちの行方は不明とされていたが、映画を発表した数年後に『私がその少女のひとり』ですと名乗り出たのだ。
しかもその人物が英国の人気女流作家〝アン・ペリー〟であったこと。
少女の残した日記の事件前日の『幸福の行事』(1954年6月22日)を読めば、楽しいパーティーを待ちのびた健気な少女の日記にしか見えないとことが恐ろしい。(この日記はネットで見れます)
彼女らは、それが幸福になるための儀式でしかないのだ。
幸福の価値観は人それぞれだが、幸福になるために歪んだ考え方を持つ人は現在でも多く存在しているでしょう..★,