甘く、ロマンチックな題名…
それに騙されてはいけない
冒頭は、ご当地ニュージーランドの
土地も人柄も穏やかだと観光的説明。
それが、一転不穏な雲行きに…
さらに観続けると
映画『スクール・オブ・ロック』ばりの
ハチャメチャ感があり、
ケイトのイヤミたらしい感じとか
メラニーの鼻にシワ寄せるブーな表情とか
腹を抱えて笑える。
サブカル的という点では
スカーレット・ヨハンソンの
『ゴーストワールド』のだけど
あっちはちょっと冷めてる感じ。
こっちはノリに乗ってる。
空想癖は「赤毛のアン」のようだし、
ここまで中2病を徹底的に描いた映画もないだろう。
痛快、辛口、面白いのだ…
メラニーのお父さんが鯖をマイクにして
歌うところはめちゃ笑える。
メラニーの嫌そうな表情もいい
下着になって飛び跳ねるところは
大林宣彦監督の『台風クラブ』を連想した
昔よく言った
「箸が転がっても可笑しい年頃」を地で行ってる感じ
ってだから騙されてはいけない
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次第に怪しくなってくる。
自分たちを
「第4の世界に入る特別な感性を持つ人間」
と思うようになり、
どんどん脳が暴走するのだ
そしてラストの…
途中のやらた正確な日付で感づいたけど、
ラストのクレジットでこれが実話だと知って
驚きを隠せない
内容もそうだけど
映画の質としても素晴らしいと思う
サブカルや「音楽と美術」好きな二人、
映画『第三の男』やオーソン・ウェルズ評とか
好き者を納得させるものがある。
二人が単なる優等生じゃないところが魅力だ
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俳優で映画監督もした竹中直人が
この映画を次のように書いている
「この作品でケイト・ウィンスレットを知った!
二人(ケイトとピーター・ジャクソン監督)の
あまりの才能に愕然とするばかりだった」
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ちなみにキネマ旬報の作品解説は
「純粋であるがゆえに
残酷な行為に及ぶ少女たちの心理が、
おぞましくも切ない」