マイメロのきもち

唐獅子警察のマイメロのきもちのレビュー・感想・評価

唐獅子警察(1974年製作の映画)
5.0
文字通り陰陽に生きる腹違いの兄弟。全編通して感情豊かな渡瀬恒彦に対し、寡黙な小林旭の心中は緻密な照明によって浮かび上がる。現代を舞台にしながらラストの決闘や節々に見受けられる前時代的な画面は、劇画を原作とするこの映画における任侠映画と劇画の近似性を示すものに思われて大変興味深い。上記のような現代やくざ映画らしからぬ丁寧なフレーミングが兄弟の確執の場面にも功を奏しており、位置関係によって示される兄弟の距離は手持ちでは味わえぬ素晴らしさ。