ももも

avec mon mari アベック モン マリのももものネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ニューシネマワークショップの講義で観させていただいた。
初めて観たけど、大好きな作品になった。ビデオレンタルには出ていないとのことで、とても残念。

2組の夫婦が、1人の浮気疑惑を発端に悶着するところを、ユーモアたっぷりに描いた作品。大杉漣さんを弔う会で見る機会をいただけた。

1人1人の性格が凄く丁寧に描かれていた。
誰しも、厄介なプライドのせいで情けない気持ちになったり、どんなに相手を大切に思っていても素直に伝えられなかったり、自分が本当に相手のことが好きなのかわからなくなったり、気持ちよりも関係性を優先してしまったり、恋人同士や夫婦にはよくあることだと思うのだけど、そういう微妙な気持ちの動きを一つ一つ掻い摘んで丁寧に描いている作品だった。共感を抱く人も多いのではないだろうか。

特に23、4歳のまゆの気持ちはよく理解できた。自分は若くてかわいいから、20個以上年の離れた夫である中崎は何を言っても自分を愛し続けてくれるだろうっていう根拠のない自信があって、「私はタモツのこととーーーっても好きよ」なんて言ってしまう。気持ちの揺れが1番激しくて、強がりで無根拠な自信にあふれていて、まるで今の自分にそっくりなキャラクターだった!そんな彼女の若さを的確に描いた大谷監督「凄い!」と思ってしまった。

大杉さんの役柄は最高に面白くて、何度も笑うシーンがあったし、それでも4人の中で1番大人だからキャラクターとしても落ち着いていて、とても好きな役だった。

また板谷美希さんのデビュー作というのも魅力で、お芝居を全く素人の状態で入った現場だったとは思えないほどの迫真の演技、素晴らしかった。

あ、あと出てくるお酒がどれも美味しそう。特にビール!

また観たい。何度でも観たい作品になりました。
ももも

ももも