あっかんべー

ゲド戦記のあっかんべーのレビュー・感想・評価

ゲド戦記(2006年製作の映画)
4.8
「死んでもいいとか、永遠に死にたくないとか、そんなのどっちでも同じだわ。一つしかない命を生きるのが怖いだけよ」

「自分がいつか死ぬことを知っているということは、我々が天から授かった素晴らしい贈り物なのだよ」


実は『千と千尋の神隠し』と、一二を争うほど面白いジブリ作品なのではないか?

セリフの深み、世界観、話の簡潔さ、音楽の良さ、カメラワークの見せ方、抽象的過ぎない話の分かりやすさは今の世代の人の方が刺さりそうだなと。

個人的には、ハウルより分かりやすくまとまりのあるストーリーだと思えた。
事実、本作は人間のバックボーンが描かれないから、話の大筋しか掴めないのは納得だが、細かい背景は考察力で補うという楽しみが残されてる。
何より、『真の名』というキーワードの設定が良く、手嶌葵の歌、龍のデザインのかっこよさには度肝を抜かれた。


ーーーーネタバレーーーー




アレンが真の名を伝えるときの構図と、その後のテルーがアレンを奮い立たせるときの構図が似ていたのは敢えてなのか。あれが登場人物の立ち位置を活かせていて上手い手法。

あと、敵との対比の関係もクレバーだった。
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