期待しないで観たのですが、ユダヤ人差別を描いた重い内容の映画でした。
舞台は1950年代のプレップ・スクール。アメリカでのユダヤ人差別の根深さには驚きです。黒人と違い、外見上はわからないだけにタチが悪く、主人公は「なぜ隠していたのか」と逆に責められる始末(日本での同和差別と同じ構造なのでしょう)
主人公にカンニングの疑惑がかけられた際も、表立って彼を擁護する者が現れない。目撃した奴がさっさと証言すればいいのに、それができない空気なのだな。ここにアメリカのいけすかないエリートたちの姿をみることができます。
映画の展開としては当然、両者が和解する流れなのかと思いきや、主人公にかけられた嫌疑こそなんとか晴れますが、全く相互理解がなされないまま、悪い余韻を引きずって映画は終わります。ここに差別問題の根深さがわかります(さすがに今は状況は違うでしょうが)。
ブレイク前のマット・デイモンが主人公を陥れるゲスい役で登場。このむき出しのドロッとした悪意は凄いな。