しゅん

あらくれのしゅんのレビュー・感想・評価

あらくれ(1957年製作の映画)
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原作で何度も繰り返される水のモチーフがこの映画では原作とは全く違う箇所で変奏されるのだけど、その鮮やかさといったら!落雪、放水、通り雨。極め付けの名シーンはどれも水がらみだ。裏通りの狭い道の捉え方とか電気を消した後の寝床の微かな光とかは成瀬調で嬉しくなるし、高峰秀子のへの字顔もたまらない。近代日本文学最良の一作である原作に劣らない傑作。
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