山田森氏

あらかじめ失われた恋人たちよの山田森氏のレビュー・感想・評価

3.6
映画云々の前にとにかく題名がまずカッコいいなと。あらかじめ決められた恋人たちへっていう日本のダブインストバンドいるんだけど、彼らがこの題名を引用したくなったのが物凄く分かる。
映画の内容に関してはまあザ・ATG映画って感じで物凄く前衛的で特に脈略なくイメージ的なシーンが挿入されたり、登場人物が訳の分からん行動するから何のこっちゃ分からん部分はかなりあった。
ただこの映画はディスコミュニケーションについて描いた映画だなっていうのは分かった。石橋蓮司演じる無軌道な若者が聴衆の前で独白のような演説をするシーンが2回あるんだけど、この2回とも誰一人として彼の言葉なんか聴いちゃいない。ここで物凄く皮肉なのが2回目の演説で聾唖のカップルが演説する彼の心境を汲み取るような行動を起こす事なんだよね。結局言葉なんて無に等しいんだっていう言論人でもある田原総一郎のある種の諦念を感じた。
あと70年代ならではの本当に無茶すんなぁっていうシーンがいっぱいあって単純にスゲーなって思った。特に浜辺を並んで歩く主演三人のスレスレを全速力でかすめる車とか凄かった。あと桃井かおりのお椀型のおっぱいが綺麗だった。
山田森氏

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