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アメリカン・サイコのdepressionのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

American Psycho
SE7ENのオープニングが、後のホラー映画に大きな影響を与えるほど素晴らしいものとは耳にするが、American Psychoのオープニングも個人的にかなり好みだった。
最初はうまく振る舞っていた主人公がだんだんサイコパスの片鱗を見せる映画かと思いきや、最初からサイコパス全開でちょっと面白かった。
ジョジョに出てきそうなキャラで、荒木先生はかなりキャラ付け方法に影響を受けているんじゃないかな(妄言)。
最初はなんだこいつ。。から始まって、でもだんだんサイコパスな主人公に感情移入するようになってしまう。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」のようだと思った。
最後は夢オチに近いもの。今までひたすらサイコパス感を出してきたのにこれまでの殺人を否定されて、私は大どんでん返し作品だと考えている。個人的には好きな終わり方だった。大事なのは内面ではなく外面で、いくら内面が強い殺人衝動を持っていようと外面を用意している限り主人公は猟奇殺人鬼として認識されることができず、むしろみんなにバレたかった?主人公は救われない。
ネットの解説記事を何個か読んでみたが、あんまり論理的でなく、そうかなぁ。。?と思うものばかりだった。あまり解説記事は観ない方が良さそう。

-----------個人的な考察
詳細な考察はもう一度映画を観直さないといけないが、個人的に気になったところだけ殴り書き。
・題名が「American Psycho」。「Psychos」ではないのでアメリカ全体が不条理な狂気の世界に陥っているのではなく、主人公個人の狂気を指している。もし監督が主人公の狂気と見せかけてアメリカ全体の狂気をアピールしたいなら「American Psychos」にするはず。
・刑事が何度もアリバイを確認してくるが、最後には主人公は会食を行なっていたとのアリバイが確認される→ラストシーンと合わさって、主人公は殺しをやっていないと伏線が張られている。アメリカ全体が狂気という考察は、刑事がしっかりと裏を取ろうとしていることで破綻している。なぜなら、刑事が自身の利益を優先するならば足繁く主人公の元に通うのではなく、さっさとアリバイをでっち上げて捜査を打ち切るはず。刑事が労力をかけているということは刑事は狂気に陥っていない。
・ATMに「猫を入れろ」と表示される→主人公の主観が狂っている証拠
・主人公が殺人を犯していたはずの物件が綺麗になっており、何も起こっていないよう→主人公は殺人をこの物件で犯していない。殺人を犯してから日にちが経っておらず、短期間であそこまで誰かが綺麗にするのは不可能なはず。物件案内人が主人公を「広告で見てきたの?」とハメた箇所を、物件案内人が自身の利益を優先するサイコの証拠だと認識している人もいるらしいが、普通に不審者を撃退するためにあのような言動を行ったと考えれば不自然ではない。
・ラストシーンで完全に主人公の殺人が否定されている。また、ラストの主人公の語りの部分で、「世界がおかしい」との結論に達していなくて、あくまで主人公の内側の狂気と外面の話をしているのでサイコが普遍的に存在しているという解釈はできない。第一、主人公だけでなく世界がおかしいという決定的な描写がない。主人公・友人たちがみんな「Vice President」であるなど、若干不自然な点はあるが...
基本的に本筋は、主人公がサイコパス→実は違いました、というストーリーのはず。モブは主人公のサイコパスを際立たせるだけの存在であったと認識している。
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