塩辛亭ショッパイ

アメリカン・サイコの塩辛亭ショッパイのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます


神経質なほどに整頓された洗面台の備品たち。シャワーを浴びる男の引き締まった肉体と、シェービングからフェイスパック(知らんがな)までに至る、美への異常なこだわり。
それでいて表面的には社会に溶け込めていて。それが本作の主人公、パトリック・ペイトマン。そんな彼には誰にも言えない秘密があった。それは、《殺人でしか生を実感できない》こと。

……そうそう、今までテレビや本で見聞きしたサイコパスってこんな感じ。鏡で自分の肉体美に興奮しながら3Pする姿に引きつつも、「これぞサイコパス」と舌を巻く。
それでいて、超イケメンの金持ち社長ときた。
ほぅ、フィクションはそんくらいのキャラ設定は必要だよね。うん、グー。

きっとこの話の続きは、

《そんな彼は次第に警察にマークされることに。それに気付きながらも〝殺しへの快楽〟を抑えることができず、事態は思いもよらぬ方向へーーー》

となるのがセオリーだろう。それで、捕まるまでのアレコレで楽しませてくれんだろう。練りに練られた完全犯罪の崩壊を描いてくれるんだろう…?(個人的願望丸出し)

それが何だ!!
こいつ変態なだけで、アホみたいに無計画やん! 謎の声真似で留守電入れはじめた時点でもうダメ。あまりにも雑な犯行で警察にソッコーマークされてるんじゃおしまいですよ。

ラストの解釈がどうであれ、むしろ起こったことがすべて現実であればあるほど、「犯人との取り調べランチ in ステーキハウス」してる警官の無能さが浮き彫りになるだけ。
こんなアホポリスのウィレム・デフォーが敏腕デカオーラ出してる時点で、もうそこは修羅の国。

まぁ、なんだかんだ言いながらも、「2階から目薬」ならぬ、「非常階段からチェーンソー」は必見なので、どうぞよろしくぅ!!
塩辛亭ショッパイ

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