Nene

アメリカン・サイコのNeneのレビュー・感想・評価

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.8
1人のサイコパスの狂気じみたストーリーかと思ったら違った。
こんな異常者を使って、それ以上に異常な社会を描くための、際立たせるための、強い批判の物語だった…

世のイメージ通りのサイコパス。
強いナルシシズムと強い性欲と血の渇望。
クリスチャンベイルの演技力。
個人的に大好きなウィレムデフォーとジャレッドレトが出ていたのも嬉しかった。

冒頭のアイデンティティの話であったり、人の名前を間違える、自分が娼婦に名前を与えるみたいなくだりって実は物凄く重要なシーンだったりする気がした。

他人に対して無関心で、さらには究極までいった物質主義を痛烈に批判していて、こんな異常者が異常だと扱われないような異常な世の中ですよ、この世はってお話。

ビジネス第一主義のウォール街での不動産屋さんが出てきたシーン、めちゃくちゃ象徴的。事故物件の隠蔽をしてまで、ビジネスを押し通すあの感じ。

なかなか考えさせられる面白い作品だった。
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