冒頭で長々とこれまでの名場面集が始まったのでイヤな予感がしたが、ついに水準を下回ってしまった。ここまで4ヶ月に1本以上のハイペースで北は北海道、南は沖縄まで行って作っていたんだからしょうがない。
面白いのは健さんのパンチを唯一かわすことのできる人物として丹波哲郎が出てくるくらいで、序盤で国景子が思わせぶりな話を健さんにもちかけるが、正体のない話をぶち上げて話を引っ張る得意のハッタリもいまひとつ振るわない。
吉田輝雄が繰り出すマジック(先代の引田天功がレクチャー)、吉野ママと由利徹のコントも面白いが後を引くものではなく、周りのエピソードを膨らませることさえしんどくなってきているようだ。もはや、斬られたり撃たれたりして人が死ぬ「寅さんシリーズ」である。