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杏っ子の一のレビュー・感想・評価

杏っ子(1958年製作の映画)
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自己卑下と被害妄想に囚われ、一挙手一投足やることなすこと全てにおいて猛烈なヤダみを発するモラハラ夫の木村功がすごい。あの爬虫類顔だから余計にヤダ。よくもあんなイヤミと当て擦りがポンポン口から出るもんだという田中澄江による意地が悪い台詞の数々にゲッソリ。相対する妻・香川京子は意固地になるばかりで、ただただ心を消耗していく。父親の山村聰は「夫婦ってのはああいうもんだ」というかんじで温く見守るだけ。荒みきった夫婦の地獄のような格闘には何もケリがつかないまま映画は終わってしまう。コワイヨ~!
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