Melko

仮面の男のMelkoのレビュー・感想・評価

仮面の男(1998年製作の映画)
3.5
男には、
負けられない戦いと譲れない信念がある

かつて共に戦った4銃士
信心深いアラミス
悩めるオヤジ 一人息子を愛するアトス
女と酒が大好き ポルトス
王には絶対忠実 頑固者のダルタニアン

統治する若き王 傍若無人で冷酷なルイ
彼にとっては、自分が王であることが全て

そのルイの双子の弟 フィリップ
鉄の仮面を被せられ6年間牢獄に
常に他人に気を遣い、臆病な彼はルイの代わりに王になるよう、3銃士に担ぎ出される

命の限り王に仕えるという、自分の信条に背くことになるため、敵対することになってしまうダルタニアン

現役を退き幾分老けたオヤジ4人が4銃士としてすったもんだを繰り広げるので、イケおじ好きにはたまらない画面だが、本作の見どころはなんと言っても
ルイとフィリップの2役を演じたレオ様だろう。
貴族然とした整った顔は王の役にピッタリだが、冷徹な若き王フィリップと仮面をつけ苦しみ抜いたルイを演じ分ける演技力がすごい。瞳で演技をしているとはこのことか。どこから見ても、お顔立ちが美麗

王と顔が同じというだけで王に担ぎ出されるフィリップ
突然言われても、と混乱する彼
みんなが憎んでる王の身代わりになれと、という頭が良く思慮深いフィリップ
どうして自分が王に?納得できる理由が欲しい、王になんてなりたくない、羊飼いのような暮らしがしたいという
その気持ちはよく分かった
仮面越しではなく月を見られることに感動する彼
重たい仮面を付けられ、暗く湿った劣悪な牢獄で長い時を過ごした彼だからこそ、自由の重みと大切さを噛み締める
宮廷という牢獄には行きたくない

それぞれの信念は違うが、立派な王に仕えることが自分達の夢なのだと語るアトスの言葉が響く
王の策略により一人息子を亡くした悩めるオヤジなジョンマルコビッチ、眼差しが物語る

ラスト、たくさんの銃を構える兵士たちに剣を持つ手を上げながら走り向かってくる5人に、「何という勇気」と敬意を表する兵士たち。
仲間と立場の間で悩み抜き、それでも最後は自分の信念と真心を持って行動したダルタニアン
その想いをしかと受け止めたフィリップと3銃士
暑苦しいぐらいの、男と男の友情、父と息子の愛情にグッと来た
お互いの背中を預け、命をかけて戦う間柄

子育てに悩めるお父さんに見てほしい作品
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