『DISTANCE』(2001) 是枝裕和。無差別殺人を犯したカルト教団の遺族が夏に集まる話。即興的な絡みを淡々と撮る。音楽もない。人や過去との「距離」をさぐる感覚が研ぎ澄まされていく面白さ。ただ設定の重さと繊細なリアルさがまとまらなかった印象も。実験的なムードの異色作。
「DISTANCE」 DVDで鑑賞。脚本の全貌を見せずに役者の感性で補ってセリフも即興が多かったようだ。面白かったが、その作りが映画から見えてしまったのも事実。ドキュメンタリーっぽさの難しさか。キアロスタミならどうしたかな。ただこの映画でのチャレンジが是枝節を鍛えた印象は強い。
