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ロッキー2のpikaのレビュー・感想・評価

ロッキー2(1979年製作の映画)
4.0
ロッキー再鑑賞祭り。
オープニングは前作のエンディングをそのままトレースしていて長いな、とは思うけど始まりとしては見やすい。前作に引き続き前半のドラマ部分の魅力が凄い。スタローンがロッキーに自身を投影しているからなのか、ロッキーのその後のドラマが生々しい。もっとステレオタイプでも良いのに、そんなに細かく描写しなくてもいいのに、ってところまで突っ込んでいく。今作を見る観客は前作から見ていた人だから、ロッキーの人柄を知っていてロッキーに何某かの自分を見て、託した人たちだから、ってのを踏まえてドラマを進めていくので何でもないような展開にも抒情感が宿っていて見応えがある。脚本だけでなく監督も務めたおかげか、スタローンの演出は丁寧なので普通に見れてしまうが、客観性という点では微妙に難しいところもあり、スパッと省けないと言うかちゃんと伝わるかどうだろうかという想いが説明過多になっている面も。なので病院のくだりしかり、シーンの展開しかりちょいと冗長的。もうスタローンもロッキーにもぞっこんに惚れた状態で見ているので最中はそんなことどうでも良いと思っているんだけども。ロッキーと結婚したい。インタビューの受け答え最高すぎる。いちいちアポロに対して「すげー怒ってんな」って言うのとか。細かいところでキャラクターに奥行きを出すので他人事とは思えぬ没入感を生んでる。

「勝って!」の瞬間からガラリとテンションが変わる。え?今までのなんだったの!?と突然別の映画が始まるハイテンションぷり笑
前作以上に試合は丁寧に撮られていて、映画の理論的にオチは見えているけどドラマに振り切っていたことでそのオチに対する説得力が薄まってご都合主義ゴールが透けて見えてくるところで何とか均衡を保とうとしていて良い。「ロッキー」は試合の結果自体はどうでも良い、というのが魅力の一つになっていて、それは今作でも続いているんだけど、今作の目指す方向性的にちょいとそこがブレているような印象が。ドラマが魅力ではあるけどファイトにも重点がおかれはじめている微妙なポジションにあり、そのどっちに寄ろうかどうしようかってのがそのまんま作品に反映されちゃってる。ただその奇妙なアンバランスさも魅力になってしまうくらいパワーのある作品になっているのが面白い。作り手の、スタローンの人間味ゆえか。

ミッキーが律儀に付き合い続けたり、口も態度も悪いけどふてぶてしくも見守るポーリーの愛らしさがヤバい。赤ちゃんめちゃかわゆい。
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