くわまんG

ロッキー2のくわまんGのレビュー・感想・評価

ロッキー2(1979年製作の映画)
4.0
あらすじ:俺にはボクシングしかない。けど君のためならやめてもいい。

Keep punching against COVID-19!ということで、滋養強壮にはロッキーです。

試合に勝って勝負に負けたアポロがロッキーに再戦をしかけてきた!…というお話。

スターになったロッキー。求婚にも成功し、浮かれて軽率に。でも無邪気でキュートで、誰よりも優しい。そんなロッキーにいつまでもそばにいてほしくて、現役復帰に反対するエイドリアン。

「私なんかが愛する人と結婚できるなんて…」なエイドリアン。臆病で控え目で守ってあげたくなる、そんな彼女に笑ってほしくて、主人として機能するために、現役復帰を決めたロッキー。

妻が幸せなら何が何でもいい夫と、何が何でも夫に傍にいてほしい妻。実は、ロッキーよりもエイドリアンの方が甘えん坊なのです。優し過ぎるロッキーは、妻の「ニャ~ン…(/ω・\)チラッ」を突っぱねることができず、再戦すべきかどうかで揺れます。

しかし、ポーリーにニャ~ンは通じません。家族だからです。気遣い皆無な兄の一言は、いつも妹の痛いところをつく。乱暴ですが正論なのです。妹も、兄にだけは激します。“嫌われたくない”夫には決して見せない一面です。家族だからです(そういう意味で、バルボア夫婦は家族として未完成なんですね)。

夫の飴と兄の鞭で一皮剥けたエイドリアン、満を持して夫を応援。迷いの消えたロッキー、猛トレーニングで鬼チャージ。仕上げは勿論、あの曲で爆走。泣けますね。

ジムで、リングサイドで、血圧300台で怒鳴りまくるミッキーが、エイドリアンのことを聞きつけるや一変するところもたまらない。あの鬼軍曹が、黙って弟子に寄り添うのです。ロッキーを育てているのが、金や名声のためではない証です。泣けますね。

ミッキー、エイドリアン、ポーリー、みんな優しい。それは、どんな苦境にあっても絶対に問題解決を諦めず、決して相手を蔑んだり世間を罵ったりしないロッキーが、すなわちシルヴェスター・スタローンが、世界一優しい人だからなのです。泣けますね。

「スタローンの演出は荒が目立つ」なんて思っちゃう気持ちもわかるんですけどね、どうかロッキー・バルボアをよぉおおおくご覧いただきたい。欠点だらけの彼がなぜ人類の教科書なのか、きっとおわかりいただけるはずです。