広島カップ

街のあかりの広島カップのレビュー・感想・評価

街のあかり(2006年製作の映画)
3.8
セリフが少なく登場人物の表情も乏しく屋内はもちろん屋外も風は吹かず人は皆走らずに歩き、冷たい空気で静か〜な北欧の街の風景のもとで展開される惨めな男の物語。
街のヤクザ者に上手いこと利用されてボロボロになった男は最後に女の手の温もりを感じるのであるが、なんせ男の表情が乏しいので観ていて「ヘえッ?」ってなってしまいます。

復讐の怒りに燃えているはずの男は「やりやがったなテメ〜ら、もう生かしちゃおけねぇ、殺ってやるぜ」なんて、米映画や北野作品なんかでは絶対になっていたはずなのに、この淡々と画用紙に水彩絵の具を載せていくような感覚が如何にもカウリスマキタッチなんですね。
暗転した画面をみながらラストの余韻をなんか笑ってしまいます。
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