◆あらすじ◆
コイスティネンはヘルシンキの警備会社の夜間警備員として働いていたが、周囲を上手く溶け込めず孤独な暮らしを過ごしていた。ある日、彼が飲食店でコーヒーを飲んでいたところ、ミルヤという女性が声をかけてくる。彼は彼女に心を奪われるが...。
◆感想◆
孤独な主人公の純情さゆえに他人に利用されてしまい、苦境に落とされる様子を描いた作品であり、どんどん悲惨な目に遭う主人公ですが、感情をあまり表情に出さないため、何を考えているのか分かりにくく感情移入しにくかったです。
コイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)は夜間警備員として働く傍ら、独立して自分の会社を持つことを目標にする前向きさがあって、表情には出さないですが熱い気持ちを持っているように感じました。しかし、他人との交わり方が不器用で職場でも孤立していて、常に孤独感を感じさせました。
孤独なコイスティネンの前にミルヤ(マリア・ヤルヴェンヘルミ)が現れたことで彼は恋に落ちます。この恋の展開があまりにも早くて不自然で、これに引っかかる彼が純情すぎるように感じました。本作の監督さんの他の作品で速攻で恋に落ちるパターンを観たので、これがこの監督さんの恋の描き方なのかもしれないとも思いましたが、本作では違っていました。
ここからコイスティネンがどんどん悲惨な目に遭っていくのですが、最後までミルヤを守る姿勢を変えない彼に私はついていけなくなりました。いくら何でも人が良過ぎる。
そんな中でもソーセージ屋の女性(マリア・ヘイスカネン)はコイスティネンを想い続けていて、彼女こそがコイスティネンにとって救いになるんじゃないのかなと思いました。本作の彼女の献身ぶりはコイスティネンがうらやましいぐらい良くて、私は彼女に感情移入しました。
本作の後、コイスティネンが幸せになったのか分かりませんが、もう少し狡くなっても良いんだよって彼に教えてあげたいです。普通に面白かったと思います。
鑑賞日:2025年4月14日
鑑賞方法:CS ザ・シネマ
(録画日:2025年3月26日)