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ナイト・オン・ザ・プラネットの440のレビュー・感想・評価

4.8
「リコリス・ピザ」を観てふと思い出した作品。
久々にどうしても観たくてレンタルで借りてきた。

なぜこの作品が思い浮かんだのかは自分でも分からないんだけど「なんか好きなんだよなぁ」という感じが似ていたからかもしれない。

ロス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの街で働くタクシー運転手とお客さんのお話。

どのエピソードもタクシー運転手と客のやり取りが最高なんだけど、この作品の肝は「この人はなんでタクシー運転手になったのか?」と「この客は何の目的でこの時間にタクシーに乗ったのか?」だと思う。
あえて触れないこの部分を会話の中から想像で深掘りしていくのが、妄想好きの俺としてはめちゃくちゃ面白い。

人によってどの話が好きか綺麗に分かれそうだが、俺はニューヨークとヘルシンキが好き。
ニューヨークのヘルメットオヤジがどうやってタクシー運転手になったのかめちゃくちゃ気になるし、ヘルシンキのオヤジたちがタクシーに乗る前まで飲み屋でどんな話をしていたのかすごいワクワクしながら想像した。
あとパリの目の見えない姉ちゃんがあの時間になぜタクシーに乗ったのかも気になる。

もちろんベニーニの圧巻のセリフ回しやウィノナのスター性が突出している魅力は一見の価値あり。
ジム・ジャームッシュ作品は他には無い「良いなぁ」が沢山詰まっている事を再認識しました。
やっぱり好き。
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