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ナイト・オン・ザ・プラネットのnewのレビュー・感想・評価

3.6
ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの都市で、5人のタクシー・ドライバーが乗客を乗せた。同じ夜にそれぞれに繰り広げられる5つの物語。

オムニバス形式で進行する5つの物語。それぞれのつながりは一切なく独立した物語が紡がれるが、全てのお話がタクシー運転手とその乗客の物語となっている。以下一つ一つざっくりと感想を。
・LA
新人女優をスカウト・プロデュースする女性とちょっとヤンチャそうな若い女性の運ちゃんのお話。人生の価値観がテーマで、人によって、思い描く人生像は違うし、幸せの形も違うよーみたいなお話。ウィナノ・ライダーが若い。
・NY
運転も出来ないドイツからやってきた元道化師の運ちゃんと気のいい黒人男性のお話。このお話だけテーマがよく分からなかったけど、元道化師の運転手が言った「お金は必要だけど重要じゃない」この言葉に尽きるのかな。仕切りに良い家族だとか言ってたし、多くの人が交差するニューヨークだからこそ人との繋がりを大事にしたいみたいな話。この話が一番ハッピーで好きだった。
・パリ
盲目の女性とアフリカから来たタクシーの運転手のお話。これは結構皮肉の聞いた物語で、出身で運転手が差別される冒頭から、今度は盲目の女性客に対して差別的発言をとる運転手。しかも、自然な感じに差別発言をしているのが自覚が無さそうで何とも言えない。そんでもって、最後は運転手よりも盲目の女性な方が物事がしっかり見えてるよ、みたいな終わり方で子気味良い。結構好き。
・ローマ
マシンガントークする変人運転手と神父さんのお話。この話はなんか凄くブラックで不思議な話。やたら下ネタ満載だし、外で交ぐわう男女や、オカマの男性が出てきたりと、おそらく"性"がテーマ。でもって終わり方がとんでもないし、命を軽く扱う描写が見られる。だけどなんだか一番笑えた。
・ヘルシンキ
3人の酔っぱらいと不幸な運転手の話。これも酔っぱらいが最後に放った一言「世の中きびしいぜ」に尽きる作品。前の話とは打って変わって命の扱いが非常に重い。全作品の中では一番暗くて重い話だった。ヘルシンキって個人的にはあまり聞き慣れない場所だったので調べて、フィンランドの都市だったんだと、ひっそり思った。

ダラダラと長くなってしまったけど、一見取り留めのない会話をしてるだけの作品だけれど、一つ一つ作品のテーマを考えながら見るとちょっと面白かった。
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