Yui

水曜日のエミリアのYuiのネタバレレビュー・内容・結末

水曜日のエミリア(2009年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

色んな家族や愛の形、そこにたどり着く道順がある。

評価低めだし、エミリアにイライラするというレビューが多かったし、確かにそれも分かるけど、それ以上にエミリアの感情や振る舞いも理解出来たし、共感出来た。

旦那さんの「娘を亡くしたからって何でも許されるのか」など、色んな言葉がグサッと来たけど、喪失感、怒り、悲しみ、ましてや自分が殺してしまったという思いを抱えていたら、ああなるのも無理はないと思う。どんな言葉をかけられてもポジティブになんて受け取れず、環境から、誰にも素直に甘えられなかったんだろう。

義理の息子との微妙な距離と関係も、大きな火種になったりもしたけど、あれで落ち着いたのかなと思うと、二人にとって本当に良かった。子供は純粋だし、逆に賢いから大人をよく見ていて、信じられるかどうか、自分の味方か、大いに試す。

そしてラストがとっても良かった。不完全で不器用な二人が家族になれた瞬間を観た気がした。

ドラマチックというよりは、日常と繊細な心を描いたような作品で、私は結構好きでした。

失ったものは取り戻せないけど、違う宝物は手に入れる事が出来る。辛さは消えないけど、また笑える。


2021-121
Yui

Yui