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ゴッホ:天才の絵筆のpanpieのレビュー・感想・評価

ゴッホ:天才の絵筆(2009年製作の映画)
4.5
昨日函館から来た友達と一緒に前から楽しみにして前売りを買っていた「ゴッホ展」に行って来ました。

その前の予習でサクッと観れるゴッホに関する作品はないかと探したら今作をAmazonプライムで発見!


ナレーションがゴッホ自身として語るところに最初はびっくりしましたが着想が面白くていいですね。
ゴッホの絵を紹介しながら彼の生涯がコンパクトにまとめられていてゴッホを振り返る40分間の旅に酔いしれる事が出来ます。

絵画の様な美しい風景と弦楽曲がとてもマッチしていてゴッホの絵を引き立てていました。
オルセー美術館やファン・ゴッホ美術館との共同制作で今作は賞も受賞しているそうです。
とても美しくて何度も繰り返し観たい作品でした。

生前に一枚の絵「医師ガシェの絵」だけが売れたという見解に色々説はあるそうですけどゴッホが迷い日々模索しながら自分の画風を見つけ出す迄を丁寧に描いていてとても分かり易いです。


今回の「ゴッホ展」はファン・ゴッホ美術館との共同プロジェクトで札幌の後、東京、京都で終了後同館のあるオランダでも開催されるそうです。

今回の「ゴッホ展」は日本の浮世絵を愛したゴッホが影響を受けた浮世絵とゴッホが模写した作品と比較しながら鑑賞する事が出来ます。
あとは彼の亡くなった後最後にゴッホが過ごしたオーヴェールの医師ガシェの元に1920年代に訪れた日本人の芳名録が発見されその資料もたくさん展示されていました。

そこで流された10分位の短い映像がとても良くて「オーヴェールの聖堂」に描かれていたあの教会の裏の道を少し行くと今作にも描かれていましたがゴッホと弟テオのお墓が並んで立っていました。
テオはゴッホの生活費からキャンバスや絵の具代など資金全般を援助をしたり献身的に支えゴッホの死後2ヶ月で精神錯乱に陥り半年で死んでしまったそうです。
調べてみるとどうやら梅毒で死んだそうでゴッホの精神錯乱もそうなのでは?と言う説もあるそうです。
兄が全てだったなんて切なすぎる!

かなり以前にも「ゴッホ展」を観に行きましたが今回に私の好きな「星月夜」の展示はなかったけれど今作では「ローヌ川の星月夜」が見られてなんだか嬉しかったです。

僅か37歳でこの世を去った天才画家ゴッホは何故こんなにも悲しい生涯でありながら彼の絵は人々の心を掴んで離さないのでしょうか。
開催から1週間後の開演したばかりの9:30からの早い時間での鑑賞でしたが凄い人でごった返していました。
せかせかしている日常を束の間忘れて自分のペースで1時間半かけてゆっくりと鑑賞して来ました。
普段から慌ただしい生活をしている私はなんだかリセットできてこんな趣味の合う友達が近くにいない事を嘆きましたが彼女との短い濃い時間を過ごす事が出来て心が洗われた1日でした。
今度は私が函館に会いに行くね!

それにしても鑑賞後気分が高揚していたのか今回の目玉だった「花魁」の絵のマスキングテープを買って来てしまったけどこれいつ使うんだろう?と後で苦笑しました。
皆さんの街で開催されたらその前に今作で予習して観に行くと深く理解する事が出来ると思います。
観に行く予定のある方に是非オススメしたいドキュメンタリーでした。
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