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ヴィーナスのakimiのレビュー・感想・評価

ヴィーナス(2006年製作の映画)
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『いつかくるその日が幸せであるように』

あとは死を待つだけ、なんて気分で暮らすおじいちゃんが、友達の親戚の小娘に、イカれてしまうというお話。

元は人気俳優だった洒落モノのおじいちゃん。なのに、相手の小娘は、正直、びっくりするほど魅力的じゃなくて。
でも、若くてエネルギッシュ。
それだけは、確かなチカラ。

溢れ出すような輝き。

そんな"自分がとうに諦めたもの”を目の当たりにして、彼はもう一度、それに手を伸ばしたくなる。そしてその日から、"死”を待つだけの日々が鮮やかに色づいていく。

そんな彼の想いは、当然ながら、相手のオンナノコにも、周囲の友達にもちゃんとは理解してもらえないのだけれど。
利用されたり、非難されたり。
だけど、手を伸ばさずにはいられないのだ。まもなく尽きるであろう自分の命の火、その限りが見えているからこそ。

誰にでも平等にやってくる、最期の日。
できるだけ悔いは少なくあれるように。
嗚呼、幸せだった、楽しかったと。
少しでも強く想って迎えられるように。
モラルとか、常識とか、色々。
人はさまざまなものに縛られて生きねばならないけれど。
どこまで、箍を外せるのか。追い求めることができるのか。

私も、できるだけ取りこぼさないで過ごしたいなぁ...と、強く、強く。
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