一休

ヴィーナスの一休のレビュー・感想・評価

ヴィーナス(2006年製作の映画)
5.0
公開された2007年、年の暮れ前のこれといった作品が見当たらない11月だったのではあるが、公開中の項に入っていたピーター・オトゥール主演の【ヴィーナス】という作品は、一部女子よりも好い男好きのオイラに取って見なくてはいけない作品に間違いないと思ったのだ 。
14時40分からと昼も大分に回った時間からの日比谷シャンテシネでは、往年の名優の作品だということか、明らかに60代以降の男女がわらわらと席についている 。
そんな中でオイラも席についてみたのだが、こんな髭面の男が一人で何しに来たのかと怪しい目つきでみられるぐらい女性の比率が高い 。
ここ十数年、アメリカ語とこけおどしCGの氾濫していた映画界で、ピーター・オトゥールのイギリス語による小娘相手の言葉責めにも似た台詞回しは耳に心地よく、左朴全の「老人とこどものポルカ」のようなシュールさを醸し出した作品は、充分にオイラの記憶に残っている。
ストーリー的には愛情をまき散らしながら死んでいく男の際とでもいうのか、自分の好きな場所で好きな女の側にいながら死んでいくなんてカッコ良すぎるとは思っても、そこはピーター・オトゥールだから許してしまうというくらい男に優しいオイラがいたりもする。
何にしろ、色気いっぱいのピーター・オトゥールにはお似合いの嬉しいセリフばかりで、
小娘「信頼するって何?」
老人「快楽を追究するってことだな。」
   とか
友人「あの娘とどう付き合っているのか不思議だね。」
老人「あんたよりほんのちょっと優しくしてあげてるのさ。」
   とか
老人「死ぬべきか生きるべきか、それが問題だ。」

最後までカッコ良く生きるという事は、そーゆー事なんだと改めて理解できましたよ。(ノ ´ー`)ノフッ

ピーター・オトゥールといえば、大作【アラビアのロレンス】でロレンスその人を演じてアカデミー賞を受けた人ではあるが、その栄光をそ知らぬふりして、小作品や良い脚本を選んで出演してきた俳優さんなので、この年になっても身体から匂うエロティシズムと迫力は、それを見て濡らさない女は女じゃないと言い切りたいぐらいだ。
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