あーや

HOUSE ハウスのあーやのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
4.0
大林宣彦監督の長編第1作目はシュールでキッチュでガーリーなファンタジック・カルト・ホラーでした。
観た直後は「今日はとんでもない夢を見たぞ」という目が覚めてほっとした朝のような感覚。
カルトホラーなので不思議な毒っ気マシマシなのですが、女の子たちがみんな可愛いおかげで時々観たくなりそうな中毒性があります。私はDVDを購入したい欲を今も抑えています。危険な作品。
南田洋子が女の子の腕をむしゃむしゃ喰ったりピアノや布団が女の子を喰ったり井戸から生首がぴょーんと飛び出したりなんかして、結構グロテスクな描写もあるはずなのに、どれもハッピーに見えるのはポップな映像と女の子達が喰われていても案外楽しそうだからでしょうか。絶妙なタイミングで発せられるアドリブ?と疑うような気の抜けたセリフたちが彼女達の危機感を見事に打ち消している。喰われたあとのブラジャーとかガリの眼鏡をかけているブタとか。気が抜けちゃう小道具も多いですね。
そして血の洪水直後の唐突な池上季実子の聖母ヌード。トロンとしたタレ目の池上季実子の可憐さにはもちろんキュンキュンするのですが、カンフー役の神保美喜も毛先を巻いてリボンで止めた巻き髪と凛としたキャラクターのギャップがとても良かった。でもなんでカンフーはずっとパンツ一丁やったんやろう・・・そしてなぜ南田洋子と鰐淵春子は本作に出たんやろう・・・。
もう一つ。本作はTSUTAYAのハロウィン映画特集の棚にひっそり置かれていたのですが、その棚で合っているのか・・?ナイトメアビフォアクリスマスやアダムスファミリーと一緒に陳列するのは少し違う気がしました。
そうそう。いつも私と映画に関して語り合うのは父親なのですが、本作に関しては普段映画を殆ど観ない母親だったのが意外でした。リアルタイムに映画館で観てトラウマになっていたそうです。私が「昨日ハウスを観たんやけどなー」と言った瞬間、皿洗いの手が止まってギョっとした顔をしていました。珍しいこともあるものですね。
12月に公開される大林宣彦監督の新作も楽しみで仕方がないです!大林監督、生きてーー!
あーや

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