ギズモX

HOUSE ハウスのギズモXのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
3.6
【怪奇!】

サイケな演出が目白押しの大林宣彦監督作品。
《女子高生達が夏休みに主人公の祖母の家にやって来たら、実は家が化け物みたいになっていて、彼女達を文字通り飲み込んでいく》感じのホラーテイストなストーリー。
でも、ところどころで真逆なハートフルな世界観にもなるので、観ている人達を怖がらせるような作品にはなっていない。
なんか最後の方は"愛"とか言ってるし!
話の展開は先が全く読めず、どうしてこういうことになっていくのか、これは一体なんなのかと、
説明があまりされないから見ているうちにどんどん分からなくなってくる不思議な作品だ。

しかし、この映画の最大の特徴である奇抜な演出は、コーマン作品を思わせる『背景が手書き』『人がピアノに文字通り飲まれていく』など、悪夢にででくるような雰囲気で、とても一言で表せないほどグニャグニャしており、
正に怪奇現象をそのまま表した表現には見ていて単純に(凄い!)とは思わされました。
まるで近代芸術をそのまま映画にしたみたいだ。

また、主役の女子高生達はところどころで寒いオヤジギャグを連発しているので『時をかける少女』以上に昔のマンガみたいなキャラクターをしています。
その姿に今とのギャップを感じるのも一興かもしれません。

愛と狂気が混じり合う凄い作品です。
ギズモX

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