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蜘蛛女のucandoitのレビュー・感想・評価

蜘蛛女(1993年製作の映画)
5.0
Romeo is bleeding 1993年 ピーター・メダック監督

なんとも「とほほ」な邦題ですがタイトでスリリングで予想外の展開でなかなかの映画だと思います。好きなタイプの映画で点数は我ながら甘いです。あれ?みたいな所も多いですが突っ込まなくて良い映画かな。
ちょっとレトロでジャズが似合う映画。

いつも曲者のゲイリー・オールドマンの上を行くレナ・オリンの怪演が大爆発。
最後に幻想で出てきたけど生き返ってきそうな超人的オーラと恐怖感。
完全に化け物。

デニーロの「ケープ・ファイア」、「キング・オブ・コメディー」やヒース・レジャーの「ダーク・ナイト」を彷彿とさせます。
あの笑い声だけでもこの映画を観る価値有りかと。
出演作品をじっくり観るのは「存在の耐えられない軽さ」以来のレナ・リオン姐さん。圧倒されました。ラッセ・ハルストレムの奥さんなんですね。めちゃくちゃ良いです。

そういえば「ケープ・ファイアー」でデニーロに追いかけ回されていたジュリエット・ルイスも大人の女で登場。2年前と大違いの女っぷりです。

今回のゲイリーは女好き、金好きでチャランポランな汚職刑事。しっかりレナ・リオンのカウンターパートを務めているところはさすがです。

そして非情なマフィアのボスが「フレンチ・コネクション」のロイ・シュナイダー。最強に見えたけどモナ(レナ)の敵ではなかったね。



ネタバレ備忘録
モナ(レナ):ロシア人の殺し屋でマフィアのボスの座を狙っている。狡猾で非情。それなのに他人の感情の機微には長けているというスーパーなサイコ。ジャックに腕を撃たれ片手を失っても気にも留めない。撃たれて手錠をはめられた車内で脚で反撃するところ(しかも笑いながら)凄くないですか。

ジャック(オールドマン):警察情報をギャングに漏らすことで大金を手に入れている。しかし、使うでもなく庭に隠す、不思議な男。美人の妻ナタリー(アナベラ・シオラ)に愛情がありながら女とみれば手を出す。ついには護送中の猛女モナの誘惑に負け、災厄に見舞われる。

シェリー(ジュリエット・ルイス):カフェの店員でジャックの愛人。モナの毒牙にかかりジャックに誤射される。

ドン・ファルコーネ(ロイ・シュナイダー):非情冷酷なマフィアのボス。モナを恐れジャックを脅して始末させようとするが、モナに捕まり生き埋めにされる、

ジャック;主人公。事件で離れ離れになった妻と再会できることを希望に別名で寂れたタンブルウィードが転がるGS兼グローサリーで待ち続ける元刑事。
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