Nasagi

蜘蛛女のNasagiのレビュー・感想・評価

蜘蛛女(1993年製作の映画)
3.8
B級ホラーっぽい邦題がついているが、サスペンス映画である。
ゲイリー・オールドマンは、翌年公開の『レオン』に先立つ本作ですでに、殺し屋に悩まされる汚職警官を演じていたようだ。

寂れたダイナーで、自分の過去を語りはじめる男。
彼は昔、ギャングに情報を売って見返りに金を受けとる汚職警官だった。しかしある時、ギャングの組織内でも危険人物とされていた殺し屋の女を始末する依頼に失敗してしまい、彼の日常は崩壊していく。

本作の目玉はなんといっても主人公を破滅に導くヒロイン、殺し屋モナ。レナ・オリンの怪演が光っている。
この人の凶暴さはなかなか言葉で説明しにくいが、こう言ってよければ、たんなる「悪女」キャラというよりは、ホラー映画に出てくる怪物とかに近い笑(もちろん生身の人間だけど)
そういった意味では、邦題の『蜘蛛女』も一理ある。じっさいにクモみたいな身体の動きをする所もあるので…
この映画にたいして純粋なクライム・サスペンスなりのリアリティを求めてはいけない。むしろ意図的にそこからズラすことによってオリジナリティを出している。
もし仮に『ターミネーター3』がもっと早く製作されていたなら、T-X役はレナ・オリンで決まりだったに違いない。
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