いがらっしー

パリ、テキサスのいがらっしーのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.9
あの『パリ、テキサス』はいい!と幾人かの映画監督をはじめ、多くの方々から、評判だけは聞かされていたので期待大。やっと鑑賞。こんな話だっとは!親子でも観られる程の良い作品だった。
あのナスターシャキンスキーが映像に色気を添えているが、
画面の中に頻繁に出てくる赤い色がお洒落に画面を締めている。
4年ぶりに再会した時の除き部屋。ガラス越しのモノローグシーンが特に好き!相米監督の『ラブホテル』での主人公が電話で話すモノローグシーンにも通じる良さでもあるが、話を聞いている側の顔をも見せている処は違う。こうした互いに見えないからこそ、成立する設定…それはまるで『懺悔』『告解』の様。互いの素直な気持は…涙を誘う。
また、迎えに行った学校から、道隔てて一緒に歩いて帰る父子のシーンが超魅力的。
一緒に会話をしている訳でもないのに、一緒にダンスをしている様。呼吸やリズムを合わせて素敵なコミュニケーションシーン!
また観たい!
兄弟愛。家族愛。父と息子。育ての親と産みの親。母と息子。別れた男と女。
全ての関係は互いを憎みきれず、愛しいからこその複雑な悩みや葛藤を抱えている。…そういう設定が実に面白い。

パリ、テキサスという土地を買ったのも自分という生命が生まれた場所だったから。だから、息子を生まれた場所に還してやりたかったのか…彼は父としての務めを果たしたかったのかもしれない。
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