さききち

パリ、テキサスのさききちのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.0
色彩とストーリーが作用し合い、
コンマ1秒も捨てショットがない最高級の映像芸術。

開始直後。ロングショットで捉える、乾燥した砂の世界。
そして色味が欠けた世界に徐々に追加されてゆく原色。
赤。青。緑。

特にこの3色は象徴的に用いられ、
後に重要なことを意味していることに気づかされる。
色彩までストーリーの一部であることを、嫌味なく自然と、しかしながら強く意識させられる作品。こんな作品には中々出逢えない。

そしてそれらを含めた画面構成。
どのショットを切り取っても、まさに絵画。
計算尽くされた、生きる芸術。

『LUCKY』のハリー・ディーン・スタントンと
本作(84年)のハリー・ディーン・スタントン。
その瞬間、生きたその瞬間を切り取る映画製作は、何て素晴らしい行いなのだろう。
さききち

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