このレビューはネタバレを含みます
私の家は両親はいる家だったけど、そうではない違った家族の形だからというだけで、愛してない、愛されてない、悪い親、ということではない、みたいな。この映画に救われる人いそうなやつ。
主人公の夫婦は、うまく子どもを育てられない親だったけど、それを悪として否定する感じは一切なく、映画を見終わる頃には、彼らに共感をできるように作られている。例えば、物語の前半だと、主人公より里親に感情移入しやすくなっている反面、映画が終わる頃には、愛ゆえに再び妻子との別れることを選択する主人公に、感情移入できる展開になっている。
こういう親子映画、ひたすらに寂しがり、泣きじゃくる子役で観客のもらい泣き誘いがちだけど、この映画では、そういう子供のステレオタイプが演じられることは一切なくて、むしろ、大人の事情に対する適応力が高いところとか、とても現実的だった。
多分この映画のあとにギフテッドみたら、ハリウッドで早速成功を収めたセレブの子役としか見れなかったかも。嘘、言い過ぎた。
乾燥地帯の雰囲気で主人公が大胆な行動をとるときは、ゆったりとしたスライドギターで、室内とかで繊細な心情のときはガットギターが流れてたりみたいな演出が、押し付けがましくなくて、上品だった。
主人公の妻子への愛や、弟の主人公に対する理解、寛容さに対して共感できなかった人だと、弟のクレジットカードで失恋追いかけてる主人公にイライラするだけの2時間になっちゃうかも。